行ってきました。大岡山PEAK-1。
SAKANAMONのホームグラウンド。
大岡山、はじめて来たけどこじんまりとしたいい街だ。明るい駅前、賑やかな商店街。なんといっても餃子の王将がある。餃子の王将がある街は無条件でいい街認定してしまいます。
あと東急沿いの駅って坂多いような。気のせい?
待機列に並んでいたところ、陽キャの大学生集団らしき人々が通りかかり「えっこれ何の列!?ヤバくない!?!?」とデカイ声で喋っており、"生活の違い、文化の違い"を感じてエモかったです。
セットリストはこんな感じ。
(FCサイトに上げてくださっていたものを参照しました)
オープニングSE:タイミング(ブラックビスケッツ)<本編>
今回の趣旨としては「大岡山PEAK-1の15周年を記念し、SAKANAMONが2012年に行った初ワンマンをほぼ再現する」ライブとのこと。
事前に森野さんがブログに上げてくださっていた2012年当時のセットリスト*1、ほぼそのまま。
古参ファンは当時の記憶にふたたび浸ることができ、新規ファンは当時の記憶を共有できる垂涎の企画。
ここ1〜2年でSAKANAMONを好きになった身としては、「初ワンマンを追体験できる」またとない機会だったのです。タイムマシン的な。
まずオープニングSEとして流れたのがブラックビスケッツの「タイミング」。
お立ち台の上でガンガン踊る藤森元生さん。
ビミョーに世代ずれてるので、フレンズのカバーで把握していたタイプです。
改めて聴くといい曲だな!!! そしてこの曲を初ワンマンのSEで流すセンスよ…。
ちなみに、今回は1番で切っていたけど当時はほぼフルコーラスで踊りまくっていたらしい。なぜ
全体を通して初期曲が目白押しのセットリスト。
改めてSAKANAMONのギターロックバンドとしての強度を肌で感じたし、曲の随所に感じられる初期衝動や鋭さにどこか懐かしさを覚えた。
当時の様子は一切知らないのに。
「社会のしがらみに悶え苦しむ人々に送るメッセージソングです、聴いてください!カタハマリズム!」
おなじみの口上も、はじまりの地で聴くとまた違った趣がある。
そういえば、当時のライブの様子が音源化されていたんだった。口上もバッチリ入っている。
まだ持ち曲が少なく、30分のライブもやっと出来るかどうかという時期に演奏していたカバー曲も披露された。
それが、プリン賛歌。「おじゃる丸」のエンディングテーマ。
初見だとだいぶ度肝を抜かれる選曲だけれど、聴いて納得した。これも改めて聴くとめちゃくちゃいい曲だ…。
後ほどググってみたところ、TWEEDEESがカバーしていることを知りさらに驚く。
SAKANAMONカバー版もいつか音源化…してくれないかなあ…!!!
あとは、「ARTSTAR」〜「脳内マネジメント事情」の流れが特に刺さった。
しっかり聴かせるミディアムテンポのナンバーが続くパート。
SAKANAMON 脳内マネジメント事情 歌詞 - 歌ネット
さあ4分もの時間をかけちゃって最後まで聴いてくれるかな
出来るだけの策を施してるよ 四つ打ち世界で相身互い勤しんでいこう
ただ身を任せたも
バラエティの豊富なこの世界でいつまでも残る道 記憶 思い出
面白いね あなたの全ても全て
現実の厳しさに幾度も挫けてはその嘘を見出してよ
常識を殺してしまってよ
これらのフレーズをルーツでもあるこの場所で聴けたこと。
その事実に胸を打たれしばらく呆然としてしまったほど、曲の持つ力に完全に飲まれた。
SAKANAMONは、そういう不思議な力を秘めた曲をたくさん作っている稀有なバンドだ。改めてそう思う。
アンコールでは当時やっていた新曲「マジックアワー」と今回解禁した新曲「矢文」の豪華二本立て。
【8/7 ON SALE!!】SAKANAMON「矢文」 MV
先日の「音楽居酒屋肴者」でも聴くことができたけれど、バンドセットで聴くのははじめて。
今回のセットリストにある曲と比べて雰囲気がガラッと変わっていて、
SAKANAMONがたくさんのステージを経て、色々な戦い方を身につけてきたのが如実に感じられた。
そして最後は「ハロ」で締め。
歌ったりへばったり特にろくな事は考えちゃいないけど
君と笑ったり酔っぱらったりしていれば特に問題無いさ
もう一杯乾杯したいんだ
色々な戦い方を身につけながらも、根っこの部分は一切変わらないSAKANAMONが大好きだ。
これからもSAKANAMONの曲と、ヘンテコなことをしてゲラゲラ笑っている様子を肴に飲んでいたい。
MCも初ワンマン当時を懐かしむ内容が多め。
「アゲ」に頼りきってビクターの人に怒られていた話に笑った。でも、新規オタクはこのライブ音源の「盛り?」「アゲー!!!」がすごい楽しそうで羨ましかったので、
アゲ頼りきり期の面影を少し感じる事ができて、夢が叶ったような気分だ。
「盛り?」「アゲー!!!」のあとに演る曲が『空想イマイマシー』なところも、『四畳一間の哲学』(まったく盛り上がる曲ではない)で客になぜかワイパーを求める藤森元生さんの様子も、初期の手探り感ってこんな感じだったんだろうなあ、と想像できて微笑ましかった。
キムさんが藤森元生さんの尻を見て「目の前でクネクネされるとね…尻がね…おっさんの尻だなあって。もう若者の尻ではないね…」とボヤいていた光景は、今ふと思い出しても笑ってしまう。
尻からも如実に感じられる、バンドが歩んできた長い道のり。
とにかく楽しかったライブの思い出を残すべく、新グッズであるトートバッグを買う。
このトートバッグ、とにかくデカい。もともと持っていたショルダーバッグも含め、荷物を丸ごとブチ込んで帰る事ができた。そしてペラペラ素材ではなく、ぶ厚めのキャンバス地!!!トートバッグ好きとしてはたまらん。使い込んでクタッとしてくるのもまた楽しみ。
あと、イラストとロゴが黒ではなく深めのオリーブ色なのも超好き。おしゃれ。
(写真に撮ってみたけどうまく写らなかった…)
森野さんデザイングッズは全部かわいくて天才ですごい。本人デザイングッズは裏切らない(オタク時代の教訓)
大岡山PEAK-1、ひと晩ですっかり大好きなライブハウスになった。
印象的だったのが「グラス回収しますよ〜〜!!!」とフロアにずんずん入っていくスタッフさんや、入場時に「お待たせしてしまってすみませんでした」と一声かけてくれるスタッフさんなど、とにかくスタッフの皆さんの気配りが随所に行き届いているところ。
これって簡単にできそうでなかなか出来ないことだよなあと。
酒の種類もエグくて最高でした。あまりにも多くて見切れず、バーカウンターに我らがつば九郎先生のイラストが貼ってあったところにも惹かれた。
またぜひ来たい箱だなあ。
会場前に貼ってあった告知チラシの文言には、こう書いてあった。
デビュー後初となるワンマンが
ホームである ここPEAK-1で 7年前。
もがきながらもSAKANAMON WORLD をずっと届け続けてくれている彼等3人
あの時と同じセットリストが今の彼等で蘇る。
決して平坦な道を歩んできたバンドではなく、戦い方を身につけるまでに散々もがき続けた足跡がある。でも、もがいても苦しんでも、SAKANAMON WORLDが途切れることはなかった。
その様子を側でずっと見守り続けてきたPEAK-1だからこそ書ける、本当に素敵な文章だと思う。
次のお祝いはSAKANAMONの15周年か、PEAK-1の20周年か。またそのお祝いの場に居合わせられるよう、笑ったり酔っぱらったりしながらクソみたいな現実をやり過ごしていきたい。
次はロッキン。打って変わって大きなステージ、ひたちなかの大自然の中でSAKANAMONの音楽に身を委ねる事ができる。
ロッキンで、というかフェスでSAKANAMONを見るのがはじめてなので、今からとても楽しみ。
これからも、SAKANAMONの主義と思想の横に寄り添えますように。
そして願わくば、待機列に並んでいた時にすれ違ったような、まだSAKANAMONのことを知らない人にもSAKANAMONの魅力が伝わりますように。